Skip to main content

Hexagonに関するリソース

典型的な1日の仕事の流れ...

Hexagonには、実務経験豊富なエンジニアや製品開発者が多数在籍しています。そして当社は、企業が業績の向上に直接つながるソフトウェアやサービスを求めていることを理解しています。しかし、製品カタログには混乱を招くような曖昧な宣伝文句が含まれており、どう解釈したらよいのか分かりづらいことが度々あります。

そこで本ブログの連載記事の初回は、Hexagon製品が日々の業務課題に対処し、より多くの成果を上げるために、産業界の典型的な業務をどのように支援しているかについて解説します。なお、今後の連載記事で取り上げるべき業務領域があればお知らせください。

今回は、生産ユニットのエンジニアと現場の制御システムのエンジニアの1日の仕事の流れについて解説します。

 

生産ユニットのエンジニアの典型的な1日の流れ

クランさんは、ある大手化学プラントの生産ユニットのエンジニアです。彼は、様々な特殊な化学物質を生産するプラントの一部分を任されており、様々な原料を使用して装置を稼働させています。

今日は月曜日です。数年前までは、毎週末に最低1回はプラントに足を運び、稼働状況を確認していました。しかし今はPAS InBound®を使えば、自宅のノートPCからリアルタイムで生産状況を確認できるようになりました。また、j5 Shift Operations Managementを使用すれば、オペレーターによるシフトの引き継ぎ情報も確認できるようになりました。先週末、蒸留装置が数時間にわたって規定値の範囲を超える寸前まで稼働していたため、カスタマイズ設定したアラートが携帯電話に数回にわたって送信されました。このアラートは自動監視のために設定した、閾値を超えると送信されるようにカスタマイズ設定した仕組みです。この時は、ちょうど新人のオペレーターが勤務中だったため、電話で簡単な指示を出しただけで翌週に再度、生産をやり直すことは避けられました。現在、生産物の需要が急増しているため、難を逃れられました。

事務所に戻り、 PAS AlarmManagement™ ソフトウェアが作成した最新のアラームシステムレポートを確認しました。同レポートは毎週月曜日の朝に自動的に生成され、前週のKPIと月次の集計値が掲載されています。数年前にアラーム発生率の低減プロジェクトが始まった時には、1日あたりのアラーム発生件数は1万件を超えていました。当初は、システムが示す内容について殆どオペレーターに理解がされず、軽視される傾向がありましたが、今はかなり状況が改善されました。ちょっと待ってください... C製品を生産する際に、計器の故障と温度に関する問題が幾つか発生しています。オペレーターがうまく対処したように見えますが、実際はどうなのでしょうか。履歴にアクセスして一次熱交換器の傾向を調べてみます。すると、熱伝道が徐々に低下しているように見えます。再び劣化が始まっているのかもしれません。今週の後半に開催される会議で、信頼性向上のワーキンググループと議論するようメモを残しておきます。

 

Microsoft Teamsから通知音が鳴りました。生産計画の担当者のリンダさんからメッセージが届きました。

 

Teams経由でリンダ:お話ししたいことがあるのですが2分ほどお時間頂けますか?
クラン:はい。(カメラをオンにして応答)
リンダ:昨年、某半導体メーカー向けに、特殊な超純水の試作品の C製品を作ったのを覚えていらっしゃいますか。

クラン:はい、通常のC製品よりも少し遅い速度で流れるように特別な添加剤が使われていました。それがどうしたのですか。
リンダ:お客様が非常に気に入っておられ、満タンのタンクローリー車でその製品を6週間後に欲しいそうです。再度、生産可能ですか。
クラン:では、画面で在庫状況を確認してみますね。そうだ、添加剤と、その製品を分けておくための空のタンクがありますね。 今、C製品を生産していますが、現在の生産ラインが3週間後に完了した後に追加生産するのはどうでしょうか。生産ラインは2、3日の延長となります。
リンダ:はい、その点は計画モデルで確認したので問題ありません。また、ヒドロキシル不純物については、より厳しい仕様を要求されており、1%ではなく、0.5%を上限とするようにとのことです。何か問題はありますでしょうか。そして、これがうまくいけば、来年からは当社の製品に全面的に切り替えて毎月タンクローリー車で運送が必要になるとお客様が申しておられますが、対応可能でしょうか。
クラン: 不純物については問題ありません。残りは今、確認するので少々お待ちください・・・(HxGN SDx®を使って仕様書にアクセスし、昨年、試験的に立てた計画を実行してみます。この操作は非常に簡単で、安全面や環境面の懸案事項についても問題はありませんでした。) リンダさん、この特殊な製品を生産する前に仕様書を少々修正し、それをあなたに送るので確認をお願いします。数回の発注であれば、新しいタンクを導入しなくても対応できますが、お客様が希望されているような量が必要な場合は、来年半ばまでに新たなタンクを導入する必要があります。追加料金と見込み生産量に関する仕様を記載したメールを送ってもらえれば、エンジニア部門に新たなタンクの費用見積もりを依頼しますよ。後程また連絡しますね。
リンダ:はい、この新たな派生製品からタンクファーム

1基分の売上を上げることが出来ると信じています!後程メールにてご連絡いたします!

近いうちに社内会議があるので、この機会にやるべきことを手短にリストアップしておきます。

次に現在の生産計画書を変更し、本件を末尾に追加します。その前の生産ラインで行ったMOC(Management of Change)を再度チェックし、何か変わったことがないか確認しておきます。更新された高純度製品の仕様書にアクセスして修正を加え、変更した計画書と一緒にオペレーターとラボに送信します。これらの情報は全てHxGN SDxからアクセスできるようになったので、非常に楽になりました!そういえば、昨年も試験運用のためにアラームの設定を一時的に変更する必要がありましたね。あれから、アラーム管理ソフトのモジュールを追加して、状態別にアラームを出す機能を追加したのでした。複数のユニットをサポートしている制御システムのエンジニアのサミールさんに、新製品が生産状態に入るために追加登録をお願いしておきます。アラーム設定について前回からの変更点の一覧を渡しておけば、サミールさんはMOCを実行して、アラームのマスターDBと製品を選択制御する画像を更新できます。

新たな派生製品を追加するにあたり、オペレーター向けの研修資料やバッチ手順書を更新しなければなりません。HexagonのナレッジマネジメントシステムであるAcceleratorKMSを使えば、この作業は容易に行えます。そして上長から承認が下りたら、リンダさんから送られてきたメールをエンジニア部門のビルさんに転送し、新しいタンクの費用見積もり作業を開始してもらうように伝えます。もしかしたら、回収品の中に再利用できる物があるかもしれません。

社内会議が終わった後に、クランさんはいつもオペレーターと一緒に制御室で話をするようにしています。その前に、自分が担当中のセクションにおける生産計画に対するリアルタイムの生産実績を確認しておきます。全ては計画通りに実行されています!そして、 PAS ControlWizard™ から制御システムの最新のパフォーマンスレポートにアクセスします。ループ性能に問題があれば表示されますが、今日は何も示されていません。確認すべき重要な個所は、マニュアルモードで動作しているユニットで、オートモードで動作するように設計されているアクティブコントローラーの一覧です。この一覧表が2ページ以上あり、以前はオペレーターが常にプロセスを移動しなければなりませんでした。この状況ではプロセスの異常発生や高いエネルギー消費量、さらには仕様外の製品の生産といったリスクが明白でした。そこで、サミールさんは監視用のソフトウェアを導入し、わずか数週間でそのシステムを予定通りに正常に動作させることに成功しました!さて、今日は6つのコントローラーがマニュアルモードになっています。最初の2つは、フィルター部分でクリーンアップモードになっていることは理にかなっていますが、他の4つはよくわからないので、制御室で聞いてみることにします。「オペレーターが落ち着いてリラックスしているときこそ、プロセスが最もうまく流れている時です!」

 

現場の制御システムのエンジニアの典型的な1日の流れ

サミールさんは、ある大手化学プラントの制御システムのエンジニアです。様々な生産部門で異なる種類の制御システムをサポートしており、小規模なものから大規模なものまで、様々なプロジェクトに携わっています。事業は好調で、いくつかの生産ユニットは拡張中で、非常に忙しい日々を送っています。

彼の責務の一つは、プラントの制御システムの性能を継続的に向上することです。そのためには、プラント内で使用されている様々な制御システムのメーカーやモデルに関する詳細な知識が必要とされます。(ああ、これらが全て標準化されていればいいのに。仕方ないのかな...)彼がいる部門は常に人手不足なので、数ヶ月前にControlWizard製品を導入しました。驚きました。なんという違いでしょう!制御システムの問題点やパフォーマンスの低いループを多数、容易にかつ迅速に特定できました。もしこの製品がなければかなり混乱した状態になり、問題点を整理するだけでも数か月にわたる多大な労力が必要になると推察されます。その上、修正作業はさらなる労力を要することでしょう。

このソフトウェアは、判明した各問題点に対して具体的な推奨事項を提供してくれました。修理が必要な制御弁のハードウェアには多数の問題点があり、ループの調整や性能向上のための再構成など、これまで一度も実施されていなかった作業が相当数存在しました。 最もパフォーマンスが低いループに対して定期的に対策を講じることで、プラント全体の大幅な改善につながったことは驚きでした。費用対効果はすぐに現れ、たった数ヶ月でプラント全体の生産効率が大幅に改善されました。

今では新たな問題点を早期に発見し、迅速に解決することが容易になりました。各ユニットのControlWizardが自動で示す週報を見ながら、1時間で作業リストを作成するだけです。最もパフォーマンスが低い数個のループが、常に対象となります。過去には、パフォーマンスの低いループを1つ見つけると、同様のループを何十個も改善する解決策につながることがよくありました!小さな投資で大きな効果を得ることができました。

次に、そのユニットに訪れて、コンソールに表示された情報についてオペレーターと時間をかけて理解し、ControlWizardに表示された幾つかの問題点を確認します。そのユニットのオペレーターが他の制御システムの問題を報告していないかをj5で簡単にチェックしましたが、何も問題は検出されませんでした。一覧表が完成したら、そのユニットの生産担当エンジニアに渡して、構成変更の実施とテスト運用の時期を決め、MOCシステムを更新します。  

また、サミールさんが担当している小規模なプロジェクトは6つあり、セントラルエンジニアリングで初期設計段階にある中規模な設備投資プロジェクトで、ユニットを拡張するプロジェクトを1つサポートしています。プロジェクトで必要とされる追加のI/O数と種類が記載された文書が、サミールさんに送られてきました。これらの新しいループに適応し、既存のDCS制御システムを拡張するために必要な手順について情報を求められています。

従来は機械室の奥で配線盤を調べたり、分かりにくいDCSの画面を何度も開いて、ポイントの割り当てを確認したり、予備のI/Oを探したりする必要がありました。この一覧表によれば、従来は3日以上の作業が必要でしたが、今ではそれは不要になりました。 PAS Automation Integrity™ ソフトウェアは、各 DCS の現時点の設定情報を定期的にインポートし、あらゆる変更点を識別/記録します。この機能を使用すれば、複数の異なる方法で設定情報を調べられ、使用可能な全ての予備I/Oスロット、カード、および機能を簡単に確認できます。さらに、スロットを「確保」することで、それらを設備投資プロジェクトに割り当てずに小規模なユニットベースのプロジェクトに利用することも可能になりました。例えば、この設備投資プロジェクトでは3つのラックと数十枚のI/Oカードや、新たな余剰の通信ノードも必要となりますが、これらの要件を1時間以内に把握することができるようになりました。制御ネットワークの負荷もチェックして、この追加容量で問題ないことを確認しました。そしてこの作業は3日間ではなく、2、3時間で終わりました。このソフトウェアは毎週、同様の作業でサミールさんをサポートしています。

Microsoft Teamsから通知音が鳴りました。生産エンジニアのクランさんからメッセージが届きました。

Teams経由でクラン:サミールさん、少しお話できますか。

サミール:大丈夫ですよ。(カメラをオンにして応答。)

クラン:このユニットでは、エネルギー消費量を削減するために、リサイクル装置を閉ループ温度制御にすることを検討しています。今は温度が表示されるだけで、オペレーターは最低温度を満たすために必要以上の蒸気を発生させています。熱バランスを算出したところ、かなりの量の蒸気を無駄に出しているようです。

サミール:興味深いですね。そのインジケーターのIDは分かりますか。

クラン:はい、TI-1407-01です。

サミール:情報を呼び出してみますね...HxGN SDxを使えばわずか数秒でループ図、仕様書、P&IDを呼び出せますよ。画像はクランさんと共有しますね。これですか?

クラン:はい、これです!その部分でインジケーターからコントローラーに変更し、蒸気の部分に新しい制御弁を追加する必要があります。蒸気部分の入力値は2インチなので、1.5インチの制御弁とバイパス弁が必要ですね。最初に見たブロック弁の下流に取り付けることができます。このフローの仕様を提供することはできますが、何か見落としていることはないでしょうか?

サミール:もしかしたらあるかもしれません。ちょっと待ってください...この変更によって生じる影響はどんなことか考えてみます。システムの他の場所で使用されている既存のインジケータ・ポイントが、コントローラ・ポイントに変わった場合に影響を受ける可能性があるのはどこでしょう。Automation Integrityソフトウェアを使用して、そのポイントを呼び出してみます。クリックすると、インジケーターの制御マップが生成されました。ばっちりです!その1つのポイントは、3つの異なるプログラム、ペイメーターの補正算出値、4つのコントロール・グラフィックで使用され、2つの月次レポートの因子としてヒストリアンを介して使用されています!そのコントロール・マップをクランさんと共有し、このことを知らせました。

クラン:驚きました!知りませんでした。

サミール:はい、これらの変更を行う前に、どこでそれらが使用されているのかをすべて考慮する必要があります。しかし、現在は事前にこれらの情報を把握することができます。そのため、私が変更を加えた後にこれらの機器が故障し、週末に修理作業を行う必要があるような状況はほとんど起きません。以前と比べて、今は必要な作業量が10分の1程度に減りました!

クラン:はい、私も似たような経験をしたので分かります。

サミール:では、具体的な依頼事項やクランさんがイメージしているご希望の概略図を送っていただければ、小さな設計図を作成しますよ。今週末には、設置を希望している具体的な個所を見せてください。いつ頃設置しようと考えていますか?

クラン:できれば今年中にお願いします。来年の目標を上席が達成するためには、効率化を図る必要があるので。

サミール:私が担当している箇所については問題ありません。機械部門に配管設計図の作成をお願いしておきます。

クラン:了解しました。ありがとうございます。早速作業に取り掛かります。サミールさんが使用されているソフトは、非常に洗練されていますね。そのソフトで他に何ができるのか、ぜひ見せてもらいたいです。いくつか面白い提案があります。

 

プラントの生産性、効率、利益を向上させるには、適切なツールを扱える賢明な従業員が不可欠です。エンジニアは、何が起こっているかを正確に把握し、革新的な改善を迅速に行うために必要なツールを装備されていますでしょうか。Hexagon がそのお手伝いをいたします。

サミール:

OKです。ではまた今度お見せしますね。おそらく「このソフトがなければ今までどうやってきたのだろう」と思うでしょうね。

About the Author

Bill Hollifield is the Hexagon Principal Alarm Management and High Performance HMI consultant, with more than 25 years of experience in the process industry in engineering, operations, and control systems, and an additional 20 years in alarm management consulting and services for the petrochemical, power generation, pipeline, mining, and other industries. He is a member of the ISA-18.2 Alarm Management committee, the ISA SP101 HMI committee, the American Petroleum Institute’s API RP-1167 Alarm Management Recommended Practice committee, and the Engineering Equipment and Materials Users Association (EEMUA) Industry Review Group. In 2014, Bill was named an ISA Fellow for industry contributions in these areas. Bill is also the co-author of The Alarm Management Handbook, First and Second Editions, © PAS 2010 The High Performance HMI Handbook, © PAS 2008, The ISA book: Alarm Management: A Comprehensive Guide, Second Edition, © ISA 2011 and The Electric Power Research Institute (EPRI) guideline on Alarm Management for Power Generation (2008) and Power Transmission (2016). He has authored several papers, articles and ISA technical reports on Alarm Management and High Performance HMI and is a regular presenter on such topics at API, ISA, and Electric Power symposiums. He has a BSME from Louisiana Tech University, an MBA from the University of Houston, and has built his own plane (an RV-12) with a High Performance HMI.

Profile Photo of Bill Hollifield